ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

カテゴリ: 16’エーゲ海クルージング

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            (写真はナフプリオンのパラミディの城跡、旧市街、コンボロイ、ブルジ島)

        旧首都ナフプリオンの旧市街とイスタンブールの空港と参議院選挙と民主主義

 ギリシャの旅・最後の観光は、19世紀前半ギリシャの首都として栄えた、風光明媚なリゾート地「ナフプリオン」。
 旧市街の南側の小高い丘に要塞がある。その下にヴェネツィア風の家々が細い路地に建っている。ブラブラと旧市街をショッピングしていると、「街歩き」のテレビ番組で紹介していた「コンボロイ」という数珠のようなものを売っている店を見つけた。これで手遊びしながら、「ウーゾ」やコーヒーを飲んでいるシーンを覚えていたので一つ記念に買った。手を動かすのでボケ防止になるのだそうだ。
 歩いていると、はだしの子供たちが2~3人ついてくる。ガイドさんがカバンのひったくりに気を付けてと注意を促す。ギリシャには時々物もらいの子供も見受けるが、この子たちも可愛そうにそういう子供たちなのか。のんびりとした歴史ある旧市街の風景の中に悲しい現実を見た。

 ギリシャの旅を終えて、アテネからイスタンブールで乗り換えて、無事成田へ着いたのは6月23日(木)。まだ、梅雨の明けない日本だった。
 戻って1週間も立たぬうちに、「イスタンブール空港の銃撃テロ」が起きた。トルコ・アタチュルク空港は乗り継ぎの時、トイレがあまり清潔ではないなと感じた。そして、待つ場所も広くなく印象があまり良くない空港だと思っていたのだが、このニュースを聞いて銃撃戦が起きた場所の近くを乗り換えのために通過したと思うとヒヤっとする。

 古代ギリシャの遺跡とエーゲ海クルージングの旅を終わって帰ると、参議院選挙と都知事選挙が待っていた。いずれも日本の民主主義の根幹にかかわる選択の岐路である。
 特に、参議院選挙は「憲法改正」論議を隠してアベノミクス経済政策を前面に押し出す、安倍政権の戦略に民衆がごまかされ続けるかどうかの選挙だった。まんまと衆愚政治の欠陥を露呈してしまう。時の政権の戦略にはめられて、将来の禍根を残すかもしれない結果となった。もし、これで自公の主張がすべて承認されたとばかりに、平和憲法9条改正を断行するならば、まるで「だまし討ち」にあうようなもの。

 アテネの民主政治はどうだったのだろうか。直接民主政治だったように理解をしているから、争点を明らかにしての論議だったのだろうと推測する。
 現代日本の政治論争は何故に、正々堂々と「憲法改正」を争点にして戦わないのだろうか。ギリシャの直接民主政治の弁論と比較しても、卑怯な戦略と言われても仕方があるまい。

 イギリスのEU離脱を主導したボリス・ジョンソンのように、都合が悪くなると「ここまでで責任を果たした」と逃げてしまうようなことにはなってほしくないが、都合が悪くなると、腹がいたくなって旗色の悪い政権を放り出した前例があるだけに心配だ。
 きちんとした主義主張を果たしてこそ真の政治家である。そうなれば「国民のために働く政治家」として認められる。
 本当の狙いを隠して、こそこそ自分の主張や過去の自民党が果たせなかった改悪をやるのではないかと疑われることこそ、すでに信頼をなくしている。憲法改正論議はあっても今の政権下ではやりたくない、という世論が多いのはそのせいだと思う。歴史の教訓を忘れ、息子や孫を二度と悲惨な戦争に追いやりたくないと切実に願うものだ。せめて都知事選挙だけでも、右傾化への流れを止めたいものだ。

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              (写真はコリントス運河、ミケーネ遺跡の門、ミケーネ遺跡円型墓地)

                 コリントス運河とミケーネ遺跡

 6月22日(水) ギリシャの旅は最終日。夜アテネ空港を出発する前に、午前中はコリントス運河とミケーネ遺跡、そしてランチの後、ナフプリオン、を観光する欲張りなスケジュール。

 古代コリントスはペロポネソス半島の付け根にあって、貿易的にも戦略的にも重要な位置を占めている。古代からここに運河を作る計画があったが成功せず、結局1893年に完成。

 切り立った崖が両側に迫り、はるか下に群青色の水面が光り、何艘もの船が行き来する姿は、迫力があり、印象的で絵になる。
 古代コリントスが最も隆盛を極めたのは、紀元前7世紀。遺跡は商業都市として栄えた名残を残している。

 コリントスから少し南に行くと、シュリーマンが発掘したミケーネがある。この発掘が考古学と歴史学の上で大事件となった、
 それまで神話の世界と考えられていたできごとが、歴史的事実として裏付けられたからだ。

 権力を示す「獅子の門」を通るとそのミケーネ遺跡が広がっている。
 門のすぐ先にある「円型墓地」を上から眺め、眼下に広がるアルゴス平野をながめていると、ホメロスが「黄金に富むミケーネ」とうたった遺跡を前にしている感慨が涌いてくる。
 遺跡の前に広がる平野と山には、オリーブぐらいしか育たないのだろう。乾燥した大地という雰囲気が一帯を覆っていた。ここでも暑い真夏の太陽が照りつけており、ミケーネ遺跡の丘まで登ることをあきらめる仲間もいたほど。オリーブの木しか日陰を作るものはないのだから・・・・。

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(写真はレストラン「ディオニソス」、レストランからのアクロポリス・ライトアップ、ホテルからのアクロポリス)

        レストラン「ディオニソス」とホテル「ヒルトン」から眺めた「アクロポリス」

 アテネでの夕食は、アクロポリスの丘の麓にあるレストラン「ディオニソス」で。
 明るいうちからテーブルにつき、食べながらそして飲みながら談笑に花が咲き、パルテノン神殿が次第にライトアップされていく様を楽しむ。

 ここは高級レストランで、我々が食べ始めたころはまだガラガラだったのが、ライトアップが始まる頃になると、ほぼ満席になるほどの人気レストラン。
 お洒落したご婦人同伴の紳士もいる。財政破綻でも、個人が楽しむ時は別、いつものスタイリッシュなギリシャ人に戻る。

 宿泊した「アテネ・ヒルトン」の部屋からはアクロポリスの丘が見える。
 最上階のホテルレストランからもアクロポリスのライトアップが楽しめた。
 エレベーターに乗り合わせたキャリアウーマン風のご婦人に「今日は暑かったですね」と言うと、「私の感覚では、さほどの暑さではないわ」と素っ気ない。
 「どちらからおいでになったのですか」と聞くと「イランからよ」という。なるほど、お国によっては暑さの感じ方は違うようだワイ。イラン心配か。

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(写真はアテネ考古学博物館の黄金のマスク、ポセイドンのブロンズ像、馬に乗る少年、アフロディテとパンとエロスの像)

                アテネ考古学博物館のギリシャ彫刻

 ギリシャの貴重な遺物を網羅したギリシャ最大の博物館の「アテネ国立考古学博物館」は、ギリシャ彫刻・美術の神髄に触れられる。

 まず、黄金のマスクが他の黄金の装飾品とともに目に入る。

 「ポセイドンのブロンズ像」は均整のとれた堂々とした筋肉質の体を表現。
 「馬に乗る少年」は疾走する馬の躍動感。
 「アフロディテとパンとエロスの像」はサンダルを振り上げて、いたずらを仕掛けるパンを打つ姿がユニーク。「アフロディテ」の単一の像も優雅。
 アンフォラと呼ばれる壺の絵や壁画も貴重なものがたくさん展示してある。

 ギリシャ神話と照らし合わせながら見るともっと興味深いのだろう。神話を理解していれば、見るべきものにもっとたくさん気づかされるだろうことに驚く。

 ギリシャ文明の質の高さを考えるとともに、ギリシャ民主政治の歴史にも学ぶことがたくさんある。衆愚政治やポピュリズムに陥ったことも歴史の教訓。イギリスでさへ、あのボリス・ジョンソンが再び外相になるなんて、どういう人選かと不思議に思う。そして日本。この先、どういう不見識が露見するだろうか。少し怖くなる。紛争にだけは巻き込まないでほしい。

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(写真はアクロポリス遺跡エレクティオン、パルテノン神殿、リカヴィトスの丘、41度を示す温度)

                 アテネ・アクロポリス遺跡

 6月21日(火)サントリーニ島から飛行機でアテネへ45分。世界遺産「アクロポリス」へ向かう。
 オリンピックスタジアムを横目で眺めながら、混雑するアテネ市内をバスで空港から移動。

 アクロポリスは、紀元前8世紀、要塞としてあるいは聖域として都市国家アテネを見守り続けた。
 「高い丘の上の都市」を意味するこの「アクロポリス」に、民主政治を築いたペリクレスが設計したパルテノン神殿が建てられる。
 柱の中間にふくらみのあるドーリア式の柱が有名。世界史では真っ先に覚えた特徴だ。

 6人の少女像が柱になっている「エレクティオン」は伝説のオリーブの木とともに美しく、そして優雅に建っている。

 見晴らし台から見える「リカヴィトスの丘」は、アクロポリスと並ぶアテネのランドマークでどこから見ても特徴がある形。

 炎天下のアクロポリスは日除けが少ない。なんと、アテネ市内の温度計は「41度」を示していた。

 財政破綻したギリシャにとっては、宝と言える遺跡に観光客は多い。ガイドはしきりに「ギリシャは安全。もっとお客さんに来てもらいたい」という。観光客が集まる場所は安全に見えるが、一歩路地裏に入ると、落書きが多く、シャッターも降りている店舗が多い。

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