ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

カテゴリ: ’11 南イタリア・シシリー

雨のローマ散策とマッシモ宮の壁絵
 
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                                                             マッシモ宮の壁絵 
 
雨のローマは、しっとりとロマンチックであるが、外で写真を撮るには適してない。
 
フォロ・ロマーノから出て、階段を上ってどこかでランチをと思い、目の前にある「カピトリーニ美術館」に入る。世界最古の美術館だそうだ。
「マルクス・アウレリウス帝の騎馬像」がある。
美術館のカフェテリアのテラスからのローマの眺望も捨てがたい。
 
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                                               カピトリーニ美術館
 
「ヴィトリオ・エマヌエーレ2世記念堂」は、ネオ・クラシック様式の16の円柱が圧巻で、ローマのランドマークとも言われている。
 
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                                                           記念堂
 
船の噴水がある「スペイン広場」には、相変わらず観光客が多い。
「ローマの休日」で有名なスペイン階段を上って下を見る景色は、いつもながら飽きない。
 
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                                                     スペイン広場
 
肩越しにコインを投げ入れると再びローマを訪れることができる、という「トレヴィの泉」は、泉の向こうの彫刻が圧倒的な力強さで迫ってくる。
 
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                                                     トレヴィの泉
 「ローマ国立博物館・マッシモ宮」は必見だ。
 
かく言う私も実はこれほど貴重な作品が展示されていることを知らなかった。偶然にも同じツアーグループの人から紹介されたのだ。共和国広場からテルミニ駅に行く途中、激しい雨を避けるために立ち寄ったこの国立博物館(マッシモ宮)のロビーのイスに座って休んでいると、そこに見学し終えたツアーの仲間二人連れが出てきたのだ。
 
「すばらしい展示で、息子から是非見るべきと勧められて来たのです」という。
それならと、雨宿りもそこそこに入場したというわけである。
 
まず「リヴィアの家のフレスコ画」がすばらしい迫力だ。緑の庭園が壁面いっぱいに広がり、豊かな生活を感じさせる。
 
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                          マッシモ宮の壁絵   
 
テヴェレ川の護岸工事の際に発見された「ファルネージ荘の壁画」も、おおらかな模様、人物、風景やモザイクがすばらしい。
 
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                       マッシモ宮の壁絵の数々                           
こうして盛りだくさんな南イタリア・シシリーの旅は終り、ローマを後にして乗り継ぎ空港のフランクフルトへ飛んだ。アモーレのローマよ、アリヴェデルチ!
 
ところが、ルフトハンザ機は大震災後の福島原発の放射能を恐れ成田に飛ばないという。ガイドさんの機転で全日空便に変更し、フランクフルトで7時間待ちということになる。
おかげでゆっくりと、ドイツのソーセージとドイツビールを明るい空港レストランで楽しむことができた。ものは考えようだ。
 
 
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                                         フランクフルト空港レストラン

ローマのコロッセオとフォロ・ロマーノ
 
紀元80年に完成した円形闘技場・コロッセオは、5万人も収容できる巨大な遺跡である。
40年前に訪れた追憶の場所の一つだが、今回もトイレがなかなか見つからない。雨の中の見学なので、混雑はなくゆっくりと昔の青春時代の一人旅を思い出す。
いつもは大勢の観光客で写真を撮るに良い場所は占拠されているが、今日はベストシャッターーポイントも容易に確保できたのがうれしい。
 
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                                                       コロッセオ
 
コロッセオを出て「コンスタンティヌスの凱旋門」を通り、フォロ・ロマーノの中、昔は古代ローマの高級住宅地だったという「パラティーノの丘」に登る。
 
ローマ市民の生活の中心が遺跡として残っているこの場所は、雨にもかかわらずいつもながら観光客が多い。
  
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                                                            凱旋門
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                                          パラティーノの丘の馬場
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                                            フォロ・ロマーノ全景
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                                                     リヴィアの家
 
古代ローマ時代から花咲かせていたはずがないが、オレンジやアーモンドが美しい。
 
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私達が訪れた前日(3月15日)は、シーザーの命日だったそうで、カエサルのフォロには手向けの花束が置いてある。
 
近くには元老院跡と「ブルータス!おまえもか」という有名なことばを残して刺された階段がある。
 
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 「セヴェルスの凱旋門」や「ユリウスのバジリカ」から聖なる道に至る遺跡群は古代ローマの歴史とシーザーの武勇伝を私の脳裏に蘇らせる。
 
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                        聖なる道に至る遺跡群
 
私の頭の中でローマの繁栄とつながらないのが、イタリアの建国とイタリアの統一だ。
紀元前イタリアが建国された時の伝説、狼の乳を吸うロムルスとレムスの花人形が可愛らしい。
 
その後ローマの繁栄を経て、1861年ガリバルディによって統一されるのだが、今回旅したシシリーなどは、その間様々な殖民時代を経験しその遺跡を残してくれた。
   
ラテン語の「愛」はamor、逆さにするとromaとなる。イタリア・ローマは永遠の愛への旅ともいえる。
 
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                          ロムルスとレウスと乳を与える狼

アマルフィ海岸・世界で最も美しい海岸線
 
ナポリに朝6時半到着し、クルーズ船からバスに乗り換える。
ヴェスーヴィオ火山からの朝日がまぶしい中、ソレント半島を縦断し、ポジターノ経由アマルフィに向かう。
 
絶壁の下、右側に透き通る紺碧の海が広がり、バスはくねくねと結構なスピードでこの絶壁の道を走る。
    
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                                                    アマルフィ海岸へ
 
ポジターノは16世紀、絹や香辛料の輸出で栄え、長い歴史と文化や産業に富んだ小さな街である。そして今は、文化人が好む高級リゾート地として人気がある。
 
特に国道沿いの見晴台からの街と海の景色がすばらしく、白い細い路地で有名な街並みも一望でき、とても印象的な絶景である。
 
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                   ポジターノの見晴台から
 
エメラルドの洞窟では、オールをかきあげると水しぶきが光に反射し、美しい神秘的な情景を醸し出し、ボートの観光客から歓声があがる。特に、水深10メートルほどの海中にあるマリア像の白い姿は、この洞窟の呼び物らしい。
 
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                                                エメラルドの洞窟
 
アマルフィへ近づくと、青い海から続く斜面にはレモンやオレンジが実り、夾竹桃などの花が咲く山肌に、白く輝く街並みが絵画的な美しさで重なり合う。
 
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                                          アマルフィ海岸
 
アマルフィの中心はドゥオーモの広い階段を見上げる小さな広場だ。
 
ドゥオーモのファサードは、日没時に夕日を受けて金色に輝くそうだ。この中央のブロンズの扉は古く、1065年に取り付けられたという。
 
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                                                      ドゥオーモ
 
ドゥオーモの階段を上がり、柱廊の左奥から入ると、尖塔型のアーチが交差しながら続く「天国の回廊」と呼ばれる空間を目にする。
 
中庭には草木が植えられ、浮世離れした不思議な空間にしばし佇んでしまう。
 
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                                                      天国の回廊
 
外に出ると、目抜き通りにはレモンを使ったお菓子やリキュール、陶器を売るお土産店が並んでいて、そぞろ歩きには楽しい街並みだ。
 
広場の真ん中にある噴水の蛇口は、女神の乳房から水が出るようにデザインされていて、イタリア人の感性に微笑を感じる。
 
このアマルフィを舞台にした、織田祐二主演の日本の映画「アマルフィ~女神の報酬」があるが、あの移動の設定は時間的に無理がある場面展開らしい。ガイドさんがそうコメントしていたが、ドラマにしたくなるような景色ではある。
 
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                                       広場
 

モザイクにあふれる街・モンレアーレ
 
パレルモの郊外、南西へ8キロのカプート山上にある「モンレアーレ」の街は、のどかなオレンジ色の屋根が美しく、広場に憩う市民が印象的だ。
 
 
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                                               街の広場
 
 広場からドゥオーモの正面に回り、階段を上って中へ入るとモザイクの壁画が溢れている。特に祭壇正面のキリストのモザイク画は見る人を圧倒する美しさだ。
壁、床、天井とモザイク画の美しさは必見に値する。
 
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                                          ドゥオーモのモザイク画
 
見晴し台から見るモンレアーレ周辺の盆地と渓谷はシシリーの最終日の景色となる。
 
モンレアーレからパレルモへ戻る道で、見つけたロザリオの木が、シシリーの印象を更に強め、文明の十字路の「パレルモ・エキゾチシズム」を私の脳裏に深く刻んでいく。
 
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                                          見晴台からの景色   
 
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                                              ロザリオの木
 
パレルモの港から夕焼けの残る午後6時過ぎ、ティレニア海クルーズ船でシシリーを後にして再びイタリア本土ナポリへ向かう。
 
クルーズ船内は結構広く、ベッドも寝るには十分な広さだ。シャワーやトイレもついている。
カフェテリアで軽い夕食とビールを楽しんで、パレルモに別れを告げてティレニア海の静かな眠りについた。
 
ティレニア海のクルージングは波静かな心地良いシシリーの夢とともに、穏やかな眠りをまどろませてくれる。
 
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                               夕焼けのシシリーとクルージング船内
 
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                                               パレルモの広場の緑
   
 

世界で最も美しいイスラム都市・パレルモ
 
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                               マルトラーナ教会の金箔の天井と壁
 
シシリー最大の都市・パレルモはゲーテが「世界一美しいイスラムの都市」と称えたほど、当時は魅力的な街であった。
 
現在はその魅力はやや減少しているものの、アラブ風の教会回廊と金色に輝く内部の壁や南欧の植物を庭に持つ建物の魅力、バロック建築の美しさは当時の繁栄をうかがい知ることができる。
 
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                                          マルトラーナ教会の内部
 
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                     バロック建築の街並み
 
ノルマン時代の遺産「マルトラーナ教会」の内部の壁は金色に輝くモザイクで覆い尽くされ、シシリー最古のビザンチン様式で息を呑む美しさだ。
これは、回教徒がキリスト教の教会の建築に手を貸した「パレルモ風」とも思えるユニークな芸術と言われているようだ。
 
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                                              パレルモ風教会芸術
 
市庁舎や大学の前にあるプレトーリア広場は、噴水を中心にして30を超える裸体彫刻がエレガントになまめかしく飾られている。ヌード彫刻のため「恥の広場」とも呼ばれる。
 
公衆トイレがほとんどなく、ガイドの計らいで教会のトイレを並んで使うことになっていたが、私達男性は広場近くの大学を見学に来た教授風に装って入り、学生にトイレの在り処を尋ねて、うまく利用させてもらった。
 
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                                        プレトーリア広場の彫刻群
 
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                                              広場近くの大学構内
 
クアットロ・カンティは四つ辻(十字路)の意味を持つ交差点の広場で、この広場に面した4つの建物の角が均等に弧を描くように丸く切り取られて、各壁面に3段ずつの装飾が施されている。
 
下段には四季(春・夏・秋・冬)を表現した噴水、中断には歴代スペイン総督、上段には街の守護聖女が彫られ見下ろしている。
 
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                                    クアットロ・カンティ
 
マッシモ劇場はヨーロッパでも屈指の規模を誇る劇場で、当時はパリのオペラ座に次ぐヨーロッパ第二位の大きさであった。
 
シシリーを訪れる前にもう一度見たコッポラ監督の映画「ゴッドファーザー・パート3」のクライマックス・シーンで、最愛の娘が身代わりに撃たれた劇場の階段を現実に目にすると、再びそのシーンが鮮やかに蘇る。
ただ、劇場内部は豪華だと聞いているが、外部の装いは簡素な広場と通りに面しているせいか、文化的華やかさは感じられない。
 
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                                                     マッシモ劇場
 
 

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