ハットフィールド・ハウスとハリー・ポッターの「9と3分の4のプラットフォーム」
~エピローグ・40日間イギリスの旅の初めのロンドン雑感~
ロンドンに到着した8月24日に戻るが、猛暑の日本と比べると一段と涼しく過ごしやすかった。
ところが、25,26日となると、涼しさを通り越して雨混じりのイギリス特有の曇天とはっきりしない天気に変わり、これでも夏?と疑いたくなるような寒さとなった。
そんな中、まだ日差しのあった25日の午前中は、緑深いケンウッドハウスの庭園を訪ねて、関内に展示してあるフェルメールの「プレーイング・ギター」を見る。
数少ないフェルメールの作品なので、数年前から意識して鑑賞するようにしていて、これで三分の二の作品は見ただろうか。
午後になって小雨が降りだしたので、、セントポール大聖堂からテムズ川を渡り(ミレニアム・ウオーク)、対岸のテート・モダン美術館に行く。
肌寒い夏らしくないイギリス・ロンドンの初日である。
翌日の26日には、キングズ・クロス駅から20分程度の郊外にある「ハット・フィールド宮殿」に向かう。
ここには、エリザベス1世が子ども時代をすごした宮殿と庭園と森があるのだ。
「今日からあなたが、この国の女王様です」
と告げられたのが大木の下というので、そのオークの大木を探したが、雨の中そして広い敷地の森の中なのでどれが目当ての大木なのかは区別することはできない。
それでも、ここがエリザベス1世治世誕生の地と思うと感慨深いものがある。
帰りには、キングズ・クロス駅で、あのハリー・ポッターが映画の中で潜り抜けた「9と3分の4のプラットフォーム」を探した。
人だかりがしていてすぐわかる。写真を撮る人の列で若い観光客が自分の番を待っているのだ。私たちも写真を撮って映画の夢の中に入り込んだ。
このようにして、イギリスの天気に一喜一憂しながらも、ウェールズはさわやかな天気に恵まれた。イングランドとは違う素朴なウェールズ人の誇りや雄大な自然を満喫した。
北イングランドは,湖水地帯をはじめなつかしさで一杯の追憶の旅、そんな中で行きたかったブロンテ姉妹のハワースは「嵐が丘とヒースの荒野」が印象的だった。
南イングランドはなんと言っても白亜の海岸「セブンシスターズ」と「ドーバー海岸」だ。そしてアガサ・クリスティのトーキーと列車の旅は、ゆったりとした旅の満足感を与えてくれた。
こうして、今年一番の大企画「40日間イギリスの旅」は家内の還暦を前にした記念の熟年夫婦旅行として、いつまでも思い出に残る充実したものとなり、そしてこの紀行ブログも12月31日に区切り良くまとめることができた。