ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

2018年12月

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        2018年大晦日、横浜インターコンチネンタル31階レストランのランチ

 2018年、晴天の日が続く中、大みそかの空気はきりりと冷たい。
 前日に大掃除と新年の準備を済ませた私たちは、92歳の姉と息子(私の甥)と、久しぶりのランチを楽しんだ。
 医者をしている甥のスケジュールが忙しく、ぎりぎりの大みそかとなってしまったが、92歳の長寿を祝うランチとなった。

 31階から眺める横浜の港は澄み切った青空の下で、船が通る跡の波が鮮やかに見える。
 ランチだけれども、92歳の高齢者には重いヴォリュームだが、わたしたちにはちょうど良い。
 来年の幸を願うとともに、一年の無事を感謝した。

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                                  (写真は花屋さんの生け花)
ローラのWe the People米ホワイトハウスへの嘆願書と松尾・ブレイディ・北田三人の「左派の経済学」

 今売り出し中の「ブレイディみかこ」が12月15日の朝日朝刊でイギリスとフランスの指導者意識が地べたの現実とかい離していることを指摘していた。
 そのブレイディみかこと松尾匡、北田暁大、三人のの鼎談「そろそろ左派は経済を語ろう」は、自民の経済政策と野党の主張を分析していておもしろい。

 特に、今の景気対策が自民党のようなばらまきであることを忌避し、野党が緊縮財政にこだわると、経済的豊かさを求める大衆からは野党には支持が集まらない。という話はその通りだと思う。憲法やモリカケ問題や沖縄基地問題では現在の内閣支持率は30%を下回っているにもかかわらず、経済についてはまずまずの景気だし、北朝鮮の脅威や尖閣諸島への中国の脅威を考えれば、今の自民党政治でもいいかということになり、40%を超える支持率となるということは、理解できる。

 そこで「左派こそ経済政策に力を入れよう「という主張には納得する。
 経済が汚いものという妙な固定観念は捨てて、地べたの人たちの苦しみに正面から目を向けることは大事だと三人はいう。国の借金1000兆円越えに関しては、国の借金は普通の借金とは違う。そのお金はどこに対するものかと言うと日銀に対する借金であり、大半のものは外国から借りているものではない。政府の日銀に対する借金は永久に先送りができる性質のものだともいう。この考え方が正しいのかどうかはわからない。

 次の消費税引き上げで景気後退、不動産バブル崩壊、オリンピックで多少の景気回復、しかし、緩和マネーはオリンピックで使い果たされている。地方と都市の格差が開く。というこのシナリオ後の政策をどうするかが課題だという。
 だから、その前の参議院選挙でどう野党は主張するかが課題だというのだ。
 特に「立憲民主党」は結党1年を迎え、結党時は支持率も10%前後あったが、いまやその前後を低迷している。この原因は自民党の経済政策への野党の対案をもたないからだそうだ。「草の根民主主義」とともに「優れた経済政策」が大事だと鼎談では主張する。
 確かに、沖縄・原発・憲法・モリカケ問題では圧倒的に野党有利であるにもかかわらず、経済政策と防衛論争でわかりやすい対案がなければ支持率は伸びないだろう。

 ローラ発言で有名になった、沖縄名護市辺野古埋め立て反対のインターネット署名で、米ホワイトハウスに向けた嘆願書には14万を超える署名が集まっているという。私もインターネットで「We the people」で検索して署名した。沖縄の人々に少しでも寄り添えればと思うからだ。この署名が10万を越えれば米政府はきちんと反応するらしい。日本のように国民の声を無視するということはない。沖縄はアメリカの出方次第で日本政府は右に左に揺れるから、この「We the People」署名でアメリカを動かすことは意味がある。ローラもインスタグラムでよくぞ発言してくれたものだ。

 今の野党の役割は自民党の多数決によるやり放題を止める対案を出すことだ。原発反対から辺野古反対まで幅広く対案を出して選挙で支持を伸ばせば、国会で今のような自民党の無視・横暴とやり放題は阻止できるはずだ。
 モリカケ問題での責任追及、憲法改悪反対、軍備拡張反対、専守防衛、は正しいにも関わらず、支持率を伸ばさない限り、いくら正しいことを主張しても犬の遠吠えにしかならない。若者には、現実を直視して、経済のぬるま湯にどっぷりとつからないで、将来を見据えてほしいものだ。

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                                (写真は白川郷と長野伝説の谷)
                お墓を考えさせる、江上剛の「一緒にお墓に入ろう」

 江上剛の「一緒にお墓に入ろう」はいろんな意味で考えさせられる本だ。

 筋書きは単純でただのおもしろい読み物に過ぎないが、離れた田舎に住む親が死んだ時、お墓をどうするか、墓じまいにはどれだけ手間暇がかかるものか、いざ東京に墓を作るとなるとどんなことを考えなければならないか、などという意味ではずいぶん知らないことが多く、すらすら読めるので参考になる。

 頭取にゴマすり、銀行で常務まで登りつめた主人公大谷俊哉は、10年来のつきあいになる愛人がいる。田舎の母が死に、お墓の問題が起こる。既に活動拠点は東京で、墓を守るものが居ないと思っている所で、この先も独身であろう愛人は一緒に墓に入りたいと言う。いまさら熟年離婚というわけにもいかず、愛人と妻との板挟みになる。母の葬儀後東京に遺骨を持ってきた事から、妻は母の幻影を見て東京に墓を作ると言い出す。そこから霊園や納骨ビルといった終活がスタートする中で、愛人の存在が発覚、会社にもわかり、私的にも公的にもトラブルとなる。出世争いからは外されるは、愛人からも妻からも一緒にお墓に入らないと宣言されてしまう。

 私の場合は、兄が田舎にある親の墓を面倒みてくれているが、兄の負担がいかに大きいか身に染みて分かるような気がする。兄は墓のある故郷に住んでいるわけではなく、法事には県をまたいで供養に行くことになる。菩提寺にお願いしているので永代供養はしてもらえるから、墓じまいはすることはないが、もし私が長男だったらこの小説のように離檀料を始め埋蔵証明手数料など様々の経費がかかるだけではなく、様々の問題が発生するようだから、墓じまいをすることにでもなれば大変だ。

 この小説では納骨ビルに供養することになるが、古い考え方の私は近くのお寺に小さくても形あるお墓があって、そこに子供たちが供養に来てくれることを夢見るのだが、それは夢なのだろうか。
 田舎の墓は、菩提寺に永代供養をお願いして、東京に新たに自分たちのお墓か納骨所かを作るのが現実的のような気がするが・・・。

 未来年表によると、20年もすると、介護施設は満杯、火葬場が不足し葬式は何日も待機しなければならず、お墓も不足、という暗い将来を予測している。

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          (写真は、渋谷ストリームと地下街エスカレーター、ハリー・ポターのコーナー)
                渋谷ストリーム 迷宮の街 渋谷

 朝日の記事に作家・堂場舜一の「ひもとく 渋谷迷宮の街」が載っていた。
 思わず読み入った。何故かというと、先日久しぶりに「渋谷ストリーム」という所がどうなっているかと思って訪れたところ、迷ってしまったからだ。

 昭和48年から定年まで渋谷を拠点に通勤をしていたにも関わらず、今の渋谷の変貌は私を目的の場所まですんなりとは導いてはくれなかった。インフォメーションで訪ねなければ正しい出口には辿りつけなかったほどだ。
 外へ出てみれば少しはわかるのだが、地下街はまさに「迷宮の街」と化していた。

 特に、解体・再生の最中にある渋谷駅は、東横線が地下化され迷路のような傾向に拍車がかかった。
 渋谷が谷底になっているというのがその説明らしいが、既存の路線と新線の連絡通路を縫うように作るためにこうなったのだろう。

 学生時代から渋谷は若者の街だとは思っていたが、最近も学校やファッション関係の店と劇場が多く、若者が集まっている。
 また、特にあのスクランブル交差点には、撮影する外国人観光客が多く、私も一度ガイドしたほどだ。

 昔の薄汚い小川も、「渋谷ストリーム」の名前通り、川の流れに沿って新しいお店が並んでいて、若者が闊歩していた。ただ、川の片側には家の裏側が見え、そこだけは昔の面影を残していた。
 地下街に人だかりがしていたので、聞いてみると、「ハリーポター」の写真コーナーだそうだ。外国人観光客だけではなく日本人カップルも写真を撮っていた。

 オリンピック前の工事はすさまじく、街の変貌は私を異邦人にしてしまうほどだった。

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                          (写真は、砧公園のジュウガツザクラと黄葉)
                   人口減少日本の未来の年表2、そして対馬

 河合雅司さんの未来の年表第2弾もおもしろい。人口減少日本で起きることを具体的に列挙して警告している。池上さんも番組で取り上げていた。
 2017年の出生数は94万人であるのに対して死亡数は134万人、その差は40万人、これが次第に増えていく。一方、80歳以上は2030年には人口の13%を超えるという超高齢化社会となる。

 そうするとどういうことが起きて来るのか。
 所有者不明名土地はすでに九州よりも広いそうだ。空き家が増えてゴミが増えるとスズメバチが多くなる。2033年には空き家は3割にも達するらしい。
 野菜生産が減少し、高齢者ドライバーが増え事故が多発する。
 後継者不足で中小企業が倒産する。ネット通販が増え、トラック運転手が不足する。刑務所の方が食事がありつけると、軽犯罪が増え、刑務所が不足する。

 高齢化と人口減少で未来年表は暗くなる。
 「ダチョウの平和」に陥ってはならないと著者は警告する。ダチョウは危険が差し迫ると頭を穴の中に突っ込んで現実を見ないようにするという。

 現在の首相は総選挙で「国難」ということばで大勝して、やっていることと言えば、お友達内閣を作り、議論もせず、次から次にまさに国難を作るような法案を可決している。移民政策などその最たるものだろう。
 イギリスやフランスが移民対策で困っている状況を知らないのだろうか。
 外国人を入れるにはきちんとした基準と制限を作らねば、秩序や治安が崩れるのは明らかである。

 「静かなる有事」ともいえる高齢化と少子化に対する政策は、個人的にも、組織的にも、国家的にも、本腰を入れて取り組まねばならないことばかりだ。
 目先の人手不足に片手間の施策を作るのではなく、先を見据えた人手不足対策を、そして高齢化対策、少子化対策、農業対策、年金対策を真正面から議論し、早急に対策を打ち立ててほしい。さもなければ日本の今の片時の経済的繁栄は短期に終わり、ついにはハイパーインフレから混乱に陥る。

 更に議論を続ければ、今の1億2千万人の経済での人手不足を論じる必要はないということだ。人口が減少してドイツのような8千万人の規模で繁栄していく方策を考えればいい。そういう議論を国会で封じこめて、企業の要請だけに応えるための人手不足解消策でやみくもに外国人の流入を進めているから問題なのだ。
 もし、地方の島で外国人の数が日本人より多くなって、参政権を持つようになれば、そこは占領されるというのが極論になる。既に対馬では始まっている。(参政権の話すら議題に上らせない)

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