ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

2017年05月

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                         (写真はタオルミーナの広場、劇場跡、海岸線)
           イタリア・タオルミーナのサミットと表現の自由・国連報告

 今年G7サミットが行われた「タオルミーナ」を訪れたのは、2011年3月。
 日本で「東北大震災」の起きた時、ポンペイでこのニュースを聞くことになった。ポンペイは火山の噴火で埋まった遺跡。
 EUの財政危機、イギリスEU離脱、北朝鮮のミサイル発射、トランプの疑惑、そして日本の国会審議のうやむやなど、様々な政治的課題をここに集まったサミット首脳は乗り越えることができるのか。おまけに自由貿易や環境対策に自由世界の中で足並みがそろわぬことも問題だ。これでは中国やソ連の思うつぼ。勝手に小国を脅すことが進みそうだ。

 タオルミーナは、天気が良ければ青く輝くイオニア海とエトナ山を一望できる風光明媚な保養地である。
 サミットの映像を見る限り天気がよさそうで、あの首脳同士の握手の場所から眺めがよいはずだ。
 エトナ山は日本の富士山のような眺め、海岸線はイタリアを代表する保養地、そしてギリシャ劇場はイオニア海とエトナ山を眺める古代劇場である。

 6年前の旅の思い出が蘇る。6年前は雨に煙っていたが・・・。昔の私のブログは「ウンベルト1世大通りの中ほどにある広場は、見晴らしの良いテラスになっていて、いつもはすばらしいパノラマが見えるそうだが、今日はすべて霧の中だ」と表現している。さらに「霧の中に見た花とかたつむりは古代から生き続けてきたのだろうか。最近姿をみせないかたつむりが、ここシチリアで元気な姿を見せてくれた」とあった。遺跡と自然は変わらず、変わったのは政治と経済状況だけか。
 それにしても、森友問題・加計問題の知らぬ存ぜぬ姿勢と共謀罪強行は少しひどすぎないか。国連から表現の自由を損なう政府と非難されるのは当然だ。

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                  富士山 二景
      5月21日、御殿場、富士国際ゴルフクラブから眺めた景色。

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(写真は農園のトマト、キューリ、ナス、ピーマン、とうもろこし)
              芽かきと収穫のサポート農園

 5月20日(土曜日)五月の太陽がぎらぎらと照りつける夏日のなか、トマトとキューリの芽かき、支柱の取り換え、トウモロコシの間引き作業。
 芽かきをしないと四方八方に広がって、支柱では支えられないほど茂って実るらしい。

 小松菜とラディッシュはもう収穫の時期。新鮮な赤いラディッシュが美しい。
 野菜は肥料と土と水遣りと太陽でよく育ち豊作だ。

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(写真は庭の花と二子玉川帰眞園の花)
              直木賞・本屋大賞受賞作品の「蜜蜂と遠雷」

 恩田陸さんは本と音楽が周囲にある環境で育ち、ピアノも子供時代から学んだというが、これほどにピアニストの心理、楽曲の物語を描けるとは、読んでいる私をぐいぐいと引き込んでいく。

 幼い頃からレッスン代を払ってもらい、音楽大学に入って授業料を払ってもらう。子供の頃からほとんどの時間をピアノに捧げ、ピアニストになるという選択肢のみを目指して人生を過ごしてきた、「凄い世界」、とは著者自身の経験か。

 練習を一日休むと本人に分かり、二日休むと批評家に分かり、三日休むと客に分かる、という有名な言葉がおもしろい。ピアノの先生は、上はブラウスに短めのジャケット、下は長めのフレアスカートでブローチ着用、という表現も愉快だ。

 「音楽というのは人間性なのだ。この音は私の知っている<明石>という人柄がそのまま表れている。包容力の大きさは音に響きに宿っている」、という表現は、知らず知らず読者も応援したくなる「奨励賞」受賞者をうまく表している。

 バルトークは「ピアノは旋律楽器であるのと同時に打楽器」と言ったという言葉には共感できる気がする。「弾く」と「叩く」と二つの要素が不可欠だろう。
 ピアノコンクールに、一次・二次・三次そして本選とある過酷ともいえるスケジュールには驚く。

 3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり、近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた、という設定。
 養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?
 これが主なあらすじだが、読み応えのある内容だった。

 膨大な分量の作品だが、読みながら音楽を感じる、と言ってもいい秀作だ。ラフマニノフ二番、バルトーク三番、プロコフィエフ二番、を聞きたくなった。

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(写真はヤマボウシのピンクの花とバラとクレマチス)
              フランスの自由の闘いの歴史と経済至上主義の日米

 フランスの大統領選挙はマクロンが極右のルペンを破って大勝した。
 アメリカの大統領選挙はアメリカ・ファーストのトランプが僅差で勝利した。
 イギリスではEUに残るか否かで国民投票の結果、離脱派が僅差で逆転勝利の結果を生み、キャメロン首相が退陣した。

 イギリスでは今も思いもよらぬ結果に混乱が続いている。
 アメリカでも予想外の結果にスムーズな政治は行われていない。
 そういう意味では長い自由への闘いの歴史があるだけに、フランス民衆の判断は、極右を嫌って正しい選択をしたように思える。
 歴史の短いアメリカの判断はまさに資本主義的であり、自分にとって経済的利益さえあればそれでいいという、経済利益一辺倒、ビジネスライクな選択だったと思うし、指導者の資格が疑われる大統領と思われても仕方がない。言葉は悪いが、歴史の浅い成り上がり的選択と言われても仕方がない。

 このような世界の動きと歴史をよく見極めて、経済一辺倒ではない選択を日本国民にはしてほしいものだ。
 特に憲法を改悪して9条の平和主義をこわそうとする今の動きは危険極まりなく、歴史の教訓を忘れて、戦争という悲劇に巻き込まれる恐れを感じさせる。

 北朝鮮という迷惑な隣人とアメリカ、韓国、中国との紛争に巻き込まれてはならない。子孫のためにも、今正しい自衛と平和の判断が求められる。
 それにもかかわらず、国会審議を見ていると、国民そして国会を馬鹿にしたような総理の傲慢な答弁は見るに忍びない。まともな答弁をしないで「特定の新聞を読め」だと、聞いてあきれる。まるで大統領の資格を問われるトランプと同じような低レベルの答弁に見える。まともな議論ができない政党は無用の長物だ。本来は党の中に良識派の意見があってブレーキをかけるのだが・・・。
 そして森友学園や加計学園の問題はトランプ同様の、疑惑隠し以外の何物でもない。この考え方が教育勅語、共謀罪、集団安全保障への姿勢に現れていて、真っ向から議論もせず国民に隠そうとするからこそ大問題なのだと思う。

 人間世界とは違って自然界は四季に正直だ。五月の陽光にキラキラとその姿を輝かせている。

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