ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

2015年10月

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   アンリ・ルソーとキュレーターと美術展

 原田マハの小説「楽園のカンヴァス」は久しぶりに知識欲とエンタテインメントの両方を満足させてくれた。
 原田マハさんはキュレーターでありカルチャーライターでもある、山本周五郎賞を獲得したアートミステリー作家。

 ニューヨーク近代美術館にも勤めたこともあるルソー研究者だけあって、ルソーの絵画と人物像、それにまつわる物語はミステリー仕立てとともに絵画に対する豊富な知識が至る所に散りばめられていて面白い。
 登場人物は、作者の分身のような著名な日本人ルソー研究者であり今は大原美術館の監視員の早川織絵、ニューヨーク近代美術館キュレーターのティム・ブラウン、大富豪でコレクターのバイラー、その孫娘ジュリエット、など。
 ルソーの絵「夢」に酷似した絵「夢を見た」の真贋を二人のキュレーターに見分けさせ、その勝者にその絵の所有権を譲渡するという筋書き。その裏には数々の人間ドラマ。

 「夢」に描かれているモデル「ヤドヴィガ」とその夫「ジョゼフ」が、小説の中では大富豪・バイラーとその妻であったと、いうのが最後の落ちという設定で、結末に至る筋書きを史実に基づきながら興味深く組み立てたミステリーには惹きつけられる。

 「永遠に生きる」というモデル「ヤドヴィガ」の心境、コレクターとキュレーターの絵画に対するパッション、など作者の思いが垣間見える。

 特に展覧会を企画する仕事にもタッチしたことのある私には、パッションのあるキュレーターとの交渉の時に苦労した25年前のことが思い出されて懐かしい。
 あのころ、ワシントンのスミソニアン博物館や絵画館・歴史館にどれだけ足を運んだか、一日の交渉の後、交渉の経緯をまとめる仕事で神経をすり減らし、眠れぬ夜を睡眠薬の助けを借りてやっと浅い眠りにつけた苦労を思い出す。
 今では箱根に案内したり、ワシントンやボストンで案内してもらったり、というおつきあいのあるキュレーターとは、当時激論を交わしたものだ。今や彼らはティム・ブラウンのように館長に出世しているのだが・・。

 ルソーの絵画を本当に理解している読者であれば、この本はさらにおもしろく読め、自分の本棚から手放せない作品となることだろう。ただ、私自身ルソーの絵が面白いとは思うし、日曜画家だとは思わないが、ピカソよりもゴッホよりも素晴らしいとも思わない人間の一人ではある。

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           黄色・オレンジ・白黄色など色とりどりのコスモスの群舞

 もう一度コスモスの群舞をお楽しみください。秋そのものです。

 ただ、原発医療人グループから親切な注意喚起の投稿があり、この海浜公園の放射線量は福島原発の影響のためかなり高いので要注意だそうだ。福島原発の悲劇を繰り返さぬために、熱心に活動されているグループの努力には頭が下がる。(第1回目のコキアの記事のコメント欄をご覧ください)

 それにしても鹿児島の川内原発再稼働は桜島噴火という周囲状況一つをみても無謀としか思えない判断だ。放射線量を計測して注意喚起をする真面目な人間の努力がある一方で、組織の判断はしばしば間違った道を選択してしまう。

 TPPの説明もしないで済まそうとする国会、利益優先の外交、沖縄の住民の気持ちを逆なでするような言動など、福島原発の惨事を忘れて利益追求に走る人間のサガを至る所でみせつけられると悲しい。
 原発周辺の住民が仕方なく過半数に従う現実を見ていると、それを見越して資本の論理を強行する組織の理不尽さに怒りを感じる。
 東海地震の確実な到来予想を思えば、浜岡原発の廃炉は絶対的と思えるのだが、そこまでも稼働してしまうとなると、日本の政治は権力の横暴と利益優先が見えて、破滅的と言ってもいい状況だ。

 先日見たテレビ番組「チャスラフスカの伝記」では、ソ連がチェコに侵攻してきたとき、ソ連の意を汲むチェコ共産党に敢然と立ち向かい、自分の正しいと思う「言論・思想の自由」を守りぬいたチャスラフスカの姿に感動した。
 日本の自民党にはこのような良識派はいないのだろうか。時の右翼的な首相に意見をいう勇気はないのだろうか。秘密保護法から始まった危険な方向性に待ったをかける政治家の出現を待ち望むものである。

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        色とりどりのコスモスと白いソバの花と真っ赤なコキア

 真っ赤なコキアが丘の頂上までじゅうたんのように敷き詰められている。

 丘の麓には、色とりどりのコスモスが秋の栄華を誇っているように見える。

 あまりにも真っ赤なコキアが目立つので、コスモスはあくまでも控えめに、そしてしとやかに、可憐な花を咲かせている。

 ススキの白い穂が秋を感じさせる。

 真っ白なそばの花が清楚な佇まいで、見事なコントラストをつくりだしている。
 乙女のような恥じらいを見せて、あくまでも控えめに純白の美しさ。
 
 誰がこの設計をしたのか、憎らしいほどのアンサンブルだ。

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   真っ赤に輝く「コキア」のいろいろなアングルから

 感動的な真っ赤な「コキア」の風景をお楽しみください。

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真っ赤なコキアの丘・ひたち海浜公園

10月23日、朝は薄曇りの中、昨日テレビで見た真っ赤なコキアの丘を見に、国営ひたち海浜公園目指してロングドライブ。
2時間10分かかるとナビが示す。途中守屋SAで休憩後、順調に昼過ぎ到着。
コキアの丘に近い海側「風のゲート」からの海浜口駐車場に止める。シルバー料金は安い。210円。

 コキアの群生がある「見晴らしの丘」目指して10分の散策。広い公園。
 途中、大観覧車をバックにした大草原の「パンパスグラス」を見て、シーサイドトレインに会った途端、目の前に現れた色とりどりのコスモスの群生と、丘の上まで一面の赤いコキアのじゅうたんに目を見張る。

 こんな景色は芝桜の群生を見てから久しく見てない。
 ラッキーなことに、朝は薄曇りだったのが、このコキアの丘に着いてから太陽が顔を出し、赤色のコキアを一層輝かしてくれる。これは見事だ。

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