ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

2012年10月

          米原万里の「魔女の1ダース」に思う
 
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  ロシア語通訳の経験を生かしたウイットあふれるエッセー集は、読んでなるほどと思わせ、そして気付かせることが多い。
 
  魔女の世界では、1ダースは13本が通り相場、露和辞典に悪魔の1ダースは13(不吉な数)と出ているという。
 
 
 
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  最後の晩餐の13人目が裏切り者、絞首台の13階段、などはキリスト教文化。
  そして12は幸運な数字。イエスキリストの生まれ月は12月、クリスマスイブは24日、その弟子の数も12人、1年は12カ月、1日は12の倍数の24時間、天空は12の星座、など数え上げるときりがない。
 
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  通訳仲間には「アルバイトがアルバイトを紹介する法則」があるという。  必ず自分より下手な人を紹介するという。自分を高く売るという意味では、それは当然だが・・・。合コンでは必ずいい女は少し見劣りする女と一緒に来たではないか。
 
 
  また、「どんないい女も、ダメな男といるとダメになる」(チェーホフ)という。これもそうかもしれないがおもしろい。
 
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           サンテミリオンの花とルレ・エ・シャト―の花
 
  毎日朝昼晩と肉食し、狩猟をことのほか好むくせに「鯨を捕るのは可愛そう」とヒステリックに反捕鯨キャンペーンを展開する人々を、自己の経験則絶対化病の人々だとめった切りにしたり、「宗教弾圧」という言葉一つで、オーム真理教の捜査や報道に当初躊躇していたマスコミや警察を弾劾したり、明確な指摘の展開が小気味よい。
 
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                         ボルドーの公園
  「無知ゆえの自信過剰と独りよがり、異なる文化や歴史的背景に対する信じ難いほどの想像力の欠如」、という表現で英語圏の人々を一刀両断にし、英語やフランス語などの「国際語」を母語とする人々が、他言語を話す国々の異なる発想法や常識に対する想像力を貧しくしている、と外語大卒らしく、言語学的に批判していることには共感する。
 
  これこそ今のキリスト教世界とイスラム教世界との戦いを泥沼にしている根本的原因かもしれない。イスラム教世界の文化をキリスト教世界の文化で評価しているのだから。
 
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                     ロートレック美術館の庭
  異文化摩擦はどこまでも深く、通訳業をしながら彼女は多くの体験を積み洞察を深めている。ロシアとの領土返還交渉では、本音はどこにあるのか、4島など返すつもりはないのか、2島なら経済的見返りとともに返してもよいのか、4島とも金で解決できるのか、など落とし所を、政治家でない彼女に聞いてみたくなった。
 
 更に言うと、中国との交渉や韓国との交渉に、彼女のように異文化を真に理解している通訳の逸材はいないものだろうか、と思ったりする。異文化など理解もできないどこかの知事が国のリーダーにでもなったら大変だ。紛争を大きくし戦争の危機にまで発展しかねない。
 
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                       ポン・ド・ピエール
 
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                                                  アルヴィ、大聖堂と橋
                                    *写真はいずれも妻の提供
 

     東京駅のドームとステーションホテルと駅ナカ
 
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  東京駅ドームの上を見上げると、マリアテレジア・イエローの壁と浮き彫りの模様とブラウンの枠が、華麗な姿を見せ荘厳で美しい。
 
 まるで美術館の一角のようだ。
 
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  東京駅のステーションホテルロビーに入ってみた。ここも観光客の人混みが多い。
  二階から見る駅ドームも面白い風景だ。
 
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  一階のラウンジはほぼ満員。厚いガラスを通して見るヨーロピアン・クラシックのラウンジのシャンデリアが美しい。
 
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  東京駅の改札を通って中に入ると、工事前の赤レンガをそのまま残してある場所があった。
 
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  そしていわゆる「駅ナカ・グランスタ」の売店がおもしろい。まるでデパートの食品売り場のような陳列と人ごみだ。
  駅弁のお店、東京駅を売り物にした小物の店、歩いて見るだけでもおもしろい。
  天井もデザインが派手だ。
 
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  ただ、このような雑踏と喧噪の中での食事や喫茶はご免こうむりたいものだが・・。
 
  人混みといっても、どうも年金生活者が大部分のようだ。従って、前回書いた不況の足音が聞こえないと言ったのはどうも間違いだったようだ。
  自動車・機械・電気を初めとする輸出産業には確実に,不況から恐慌への足音が忍び寄っているらしい。政治の混乱が誠に悩ましい。
 
  IMFのラガルド女史の主張のように、日本女性の活用と登用で元気を出さねば復活はできないかも。
 
 
 
 

        赤レンガの東京駅と御幸通りのコスモス
 
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  心地よい秋の日差しに誘われて、ぶらりと東京駅散策にでかけた。あのイルミネーションのニュースを見て、一度どのような変貌をみせているのか確かめたかった。
 
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  上野の駅とは違って両脇にドームを従えた横長の、レンガ色に落ち着いた東京駅は威風堂々としていた。
 
  近代的なガラス張りのビルとのコントラストもよく、とりわけ東京駅のレンガ色の建物は引き立つ。
 
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  御幸通りに飾られている花のアレンジメントが、秋のさわやかな気配と高い空と眩しい太陽の下で、東京駅のビルとは対照的に心を和ませる。
 
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  特にコスモスを初め,たくさんの秋の花越しの通りの風景と東京駅の姿は、見る人に日本の中心という感覚を抱かせないのどかさを醸し出す。
 
  それにしても、平日だと言うのにこの人込みは何なのだろう。どうも地方からの観光客が押し寄せているようだ。
 
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  この人込みから推察すると、外見はまだまだ日本経済は不況に入っているそぶりは見せていないようだ。ニュースでは、しきりに経済刺激策の必要性を囃したてているのだが・・・。
 
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       上野の国立博物館・芸術の秋と中国
 
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  芸術の秋を楽しむため上野の国立博物館の展覧会を見る。
 
  上野駅正面の橋上の花壇には秋の花が植えてあり、花壇越しのステーションは東京駅の豪華さとは一味違う秋の風情を漂わせている。
  コスモスの可憐さのせいなのか。
 
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                                                        上野駅
 
  駅から上野の森につながっている広い連絡橋のベンチに座っている人々が、一様に携帯を見ている風景はおもしろい。
  
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  国立博物館に続く上野公園の中の広い道には、大きなガーデンができていた。
 
  その中でも、淡い赤色のほうき草のガーデン、金色に輝く稲穂の田、噴水の池、池の周りの色とりどりの花壇は、展覧会に行く人々の足をしばし止めさせる。
 
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  サギ草の白とルコウソウのような赤が鮮やかだ。
 
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  出雲展では出雲大社の十分の一復元模型と巨大な宇豆柱が目を引いた。
 
   
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  中国王朝展では虎座鳳凰架鼓、博山炉、龍、阿育王塔、俑、などが印象に残る。
   
  日中が緊張している中での展覧会は、よくぞ予定どおり開催できたと喝采をおくるが、政治の問題を棚上げして、文化交流や人間交流を続けることで理解を深めることしかないだろう。
  そういう意味では、怨念をいつまでも持ち、歴史を子ども時代から極端に教える反日教育はいかがなものかと思うのだが・・・。
  ようやくノーベル文学賞に輝いたのだから、これを機に少しでも人権を大事にできる大人の国に早くなってほしいと願うばかりである。
 
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      夏の花・サルビアから遅い秋の花・秋桜
 
  天気の良い初秋のある日、思い立って子どもの国へ行く。
  ここには町田へ引っ越してから子どもたちとよく来たので、30年のおつきあいになる。今や孫とともに訪れる子どもの国となった。
 
  初秋とはいえ、夏の花サルビアとカンナが鮮やかに咲いている。花ことばは「家族愛」だから子どもの国にはぴったりのサルビア畑だ。
  
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  サルビアの赤に黄色のカンナが際立つ。
  
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  秋の草、エノコログサの穂が夏のカンナやサルビアを背にそよぎ、日差しが暑い中にも秋の涼しさを漂わせてくれる。
  
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  芙蓉かムクゲかはっきりしないが、ピンク色の高貴な花が高い秋のブルースカイにまぶしいほど輝いている。
 
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  華やかにダリアとハイビスカスも競っている。
 
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  ことしの秋は遅い。朝晩は涼しくなったが、昼の日差しは25度から28度の夏日を記録する毎日だ。
 
  お彼岸を過ぎれば涼しくなると思っていたが、季節の変わり目をはっきりと示すのはヒガンバナだけか。きちんと秋の到来を教えるかのように、赤と白の高貴な姿を誇っている。
 
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  秋の花にはコスモスが最も似あう。秋桜という漢字がその花にふさわしい。
 
 水原秋桜子の句にコスモスがあるだろうと思ってさがした。
 「コスモスを離れし蝶に 谿深し」
 
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  山口百恵の「秋桜」の歌が、花言葉にある乙女の真心と純真な人の心を深める。
 
薄紅のコスモスが 秋の日の 何気ない陽だまりに 揺れている
 
 縁側でアルバムをひらいては私の幼い日の想い出を何度も同じ話繰り返す
 
 こんな小春日和の 穏やかな日は あなたの優しさがしみてくる・・・
  
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