ジュピターのブログ~令和徒然紀行~ 

旅(海外・国内)の写真と紀行文、日常のできごととエッセイと風景や花や自然の写真と書評

2011年06月

東京電力・株主総会・体験レポート・その一
 
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                                       総会会場前の公園と警備
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                                                     公園の花
     
東電の株主総会に一株株主としての権利を執行するために出向いた。
 
9時過ぎ、赤羽根橋駅から会場の「ザ・プリンス・パークタワー」南エントランスへの道は、総会出席の株主がぞろぞろと列をなしている。
 
そこここに警備の警官や私服の刑事らしき黒服の男、それに取材のカメラが立っている。外国メディアもいるようだ。残念ながら私への取材はない。
 
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                                     総会会場のプリンスホテル
  
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                                                       総会への列
  
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                                                         警備と列
 
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                                                    取材のカメラ
 
ロビーも株主やら警備やらでガラス張り・大理石造りの華やかさが薄れる。
総会会場への案内がやけに事務的に掲げてある。
そして総会受付の前はごったがえしている。
 
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                                                  ホテル入り口
 
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                                                     ホテルロビー
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                                                         総会受付
 
親戚が福島県にいて放射能に汚染されつつあるのを見て、1株だけ残した議決権を行使したかったのだ。
特に原発メルトダウンの折、社長が社員を引き上げると発言したという真偽、現場にすぐさま駆けつけなかったことの重大な責任逃れを、どう説明するのか聞きたかった。
 
その後の説明も隠すことが多く、次から次にと表面化するお粗末な初期対応について十分な説明責任が果たされていない。
 
政府や産業界からしかたなく原発を推進させられたかのような、東電幹部の姿勢が見え隠れし、責任ある自主的な取り組み、必死の解決策への取り組みが少しも伝わってこない。
いまだもって解決の道筋は見えてこない、というのも異常である。
 
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                                                   庭の白い花
 
素人の私ですら、原発運転継続には電源が不可欠であるというなら、初期の電源が喪失したら次の手、更に次の手を用意するのが当たり前の手順と思うが・・・・・。
 
現在進行中の汚染水を取り除く手順でも、一つの方法がうまくいかなければ次の手をスタンバイしておかねばなるまい。
雨が降る梅雨の前に、汚染水が増えることは誰でも想像できるし、雨水が入り込まぬように全体をカバーすることも準備できたのではないのか。
 
日本全体が、あるいは世界が、放射能拡散や汚染水拡散に影響を受ける可能性があるという非常事態に、二の手、三の手を矢継ぎ早に用意してないというお粗末さは、自己責任のなさ、下請け丸投げ体質、お上のいいなり、命令されてやっているという甘い体質、など独占企業の無責任体質が表面化しているとしか思えない。
 
そのような私なりの認識が正しいかどうかの確認のためにも出席してみた。そして、経営責任を問い詰めたかったのだ。
まずは、東電の経営陣と技術陣の精鋭部隊を全て福島へ投入して全力で復旧工事を完成してもらいたいからだ。東京で会議を開いている場合ではあるまい。(次回へ続く)
 
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                                                   庭の白い花
 
 
 

映画「ジョー・ブラックをよろしく」
 
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                                     カッスルクームのマナーハウス
 
ブラッド・ピット主演の「Meet Joe Black」(ジョー・ブラックをよろしく)は65歳を迎えた大富豪・バリッシュ(アンソニー・ホプキンス)が、誕生日と同時に死神を迎える時、死神との対話や愛する娘を諭すにじみ出るような人生訓がおもしろい。
 
娘のスーザン(クレア・フォーラニ)は美人女医で、父・バリッシュ(ホプキンス)の部下が目下の恋人ではあるが、その恋に燃え上がるほどの熱意がないことを、死神に取り付かれつつある父は諭す。
 
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Love is passion, obsession
  Someone you can’t live without 
  Fall head over heels
  Find someone you can love like crazy and who’ll love you the same way back
  Forget your head and listen to your heart
  Stay open. Lightning could strike. 
 
愛は情熱、頭で考えることではない、心に従うもの、稲妻に打たれるような出会いがある、お互いに狂いそうになるほど愛し合えること
そういう男を見つけろ、というのだ。
 
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ある意味では一目惚れのような、稲妻のように心を打つタイミングがあるということだろう。この映画の始めの部分でスーザンがブラッド・ピットとカフェで出会うシーンがその稲妻が落ちるシーンだ。
 
その後、交通事故に会って亡くなるブラッド・ピットが死神の姿となり父の前に現れ、スーザンとの恋を非現実的だが作っていく。
 
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プロットは完全に夢物語だが、人生は何が起きるかわからない「Uncertainなもの」と考えれば、アンソニー・ホプキンスの人生観やブラッド・ピットの男性的セクシーさ、クレア・フォーラニの美しさを十分楽しむことができる。
 
人生はUncertainだが、死と税金は避けられないもの、ということばは特に意味深長だ。
 
In this world nothing is certain, but Death and Taxes.
 
避けられないもの、それは神が与えた運命と人間の果たすべき義務なのか。
 
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                       カッスル・クームの街並み
 
 

定年が楽しみになる生き方
 
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                       カンパニュラとアルストロメリア
      
フランス人を奥さんに持つ吉越浩一郎さんが、定年後も勤勉な日本人特有の生き方を変える考え方を提言してくれている。
 
本当の人生は定年後にスタートするのであり、それは余生ではなく「本生」だというのだ。
最近読んだ渡辺淳一さんの熟年革命に共通する定年後の人生の楽しみ方である。
これからは、こういう年代が多くなり「本当の人生」を謳歌する生き方を模索する人々の需要がたくさん生まれてくるようだ。
 
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                                    カンパニュラ
 
定年退職で跡形もなく消える人脈,過去の栄光は水に流して忘れよう、
人付き合いは広く浅く、
サラリーマン時代の背広は捨てる、
どんなことでも継続は力、
家族と一緒にバカンスを楽しむヨーロッパの人々に見習う、
趣味がなくとも充実した毎日は考え方次第、
などなど、含蓄ある分析だ。
 
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                                     カンパニュラ
 
中国の陰陽説の「青春・朱夏・白秋・玄冬」の人生四つの時期の内、定年は「白秋」の時期で実りの季節であるという。そしてその時期は平均寿命から計算するとほぼ72歳ころまでだそうだ。
 
その実りの時期を長く維持するためには健康年齢をできるだけ延ばして、後はぴんぴんころりで「玄冬」の時期を短くするのが良い、という話はもっともである。
 
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                                                アルストロメリア
 
人と会話できる場所を見つけることや、好奇心を持ち続けて脳を活性化させる、ことなどで今を充実させるのだ。
キーワードは「今が一番幸せ」、つまりやりたいこともできる、時間もある、家庭での生活も充実している今が一番幸せということ、全く同感である。
 
年金生活ではありながら、まずまずの生活レベルを維持し、健康年齢を延ばしながら、好きな海外旅行を楽しみ、昔やったことのある合唱で声を張り上げ、孫にも恵まれ、妻からはいやいやながらもお付き合いしてもらっている今が一番幸せなのだろう。
 
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                                                      オキザリス
 
ヘルマン・ヘッセや小林秀雄も書いているそうだ。「老齢こそ最も人生が華やぐ時期で、この残された時間にこそ人間を仕上げるには絶好のチャンスで、そのために今までの人生があったのだ」と。
 
定年後を「余生」とせず健康で精神的にも充実した「本生」として生ききることが、「男の品格」だそうだ。外野がうるさいと男の品格を保つことはなかなか難しいが・・・・・。
 
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                                     カンパニュラ
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                                                     ノーゼンカズラ
 

映画「ニューシネマパラダイス」とシシリーとプラチナ世代男声合唱団
 
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                                                   シシリーの海岸
 
この四月から六十歳以上のシニア男声合唱団に入って練習している。
 
毎週月曜日の午前中が練習日で、毎回60名前後のシニアが集合する。出席率が驚異的に高く、出席することで生活のリズムを作っているようだ。私も毎週月曜日がルーティンになって生活のリズムができた。
 
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                                        シシリーの果樹園
 
指揮者の先生が編曲する曲の中で「ニューシネマパラダイス」の和音が独特の切ない和音を奏でてなんとも言えない。
 
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                          シシリー・アグリジェントのギリシャ神殿の谷
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                                          シシリーのラグーサ
 
この三月、南イタリアとシシリーを旅する時、シシリーの知識を得るために見た映画がこの「ニューシネマパラダイス」であり、その時に流れた主題曲がなんとなくせつない恋のメロディーとして頭に残っていたが、この合唱団であらためて歌うと、この独特の和音が心に響いてくる。
  
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                                              シシリーの花畑
 
男のロマンチシズムは女のそれとは格段に違って、女よりも過去に未練を感じるようだが、このニューシネマパラダイスの物語も、男のいつまでも持ち続ける恋心を見事に映画化するとともに音楽に表現している。
   
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                                                             カプリ
 
シニア合唱団で練習していると書いたが、八十歳以上の高齢者が「やそじい」というグループまでも作って別に歌っている。本当に元気な集団だ。
 
それこそ、人生を謳歌しプラチナのように輝いている。私もかくありたいと思う60歳後半から90歳台までの世代である。
  
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                                                    アルベロベッロ
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                                           マテーラの窓辺
 
「ニューシネマパラダイス」の歌詞の抜粋は
  
 「 村のかたすみ 古い映画館
     映写室の壁には君の写真
     恋する男は・・・
     映画と人生 それはちがうのさ
     君が暮らす窓辺に 今夜もたたずむ
     君が微笑んでくれるまで いつまでも 待つよ
     ・・・・・・・・・・・・・・・      (抜粋、作詞 青木雅也)」
 
なんという「男のロマン」を歌う詩なのであろうか。
これは、青木先生指揮のロマンチック・プラチナ男声合唱団が練習している歌詞の抜粋である。
編曲・作詞された青木先生のロマンチックな思いが見えるようだが、歌唱力を名歌詞に伴わせなければ申し訳ない。
 
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                       シシリーのパレルモの街
 
 

 渡辺淳一さんの「熟年革命」を読んで
 
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                          アルストロメリア
 
 渡辺淳一さんの「熟年革命」を読むと、我々の世代には励みになることが多く書かれている。私なりにまとめてみた。
 
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                                        アルストロメリア
 
まず、我々の世代を老人とかシルバーではなく「プラチナ世代」という名称に変えて、楽しさにチャレンジすると良いという。
確かにシルバーとか前期高齢者とかで分類されるよりは元気が出そうだ。
 
次に、定年はチャンスと捉えて、新しい生活に船出する喜ばしきものと考える。
これは、考え方次第だが、なかなかできそうでできないのが悲しい。
 
いつも明るく前向きに考えて健康を保つこと、そのためには「鈍感力」が大事であるそうだ。健康であることは、全ての基本であろう。これは重要なことでそのための努力はしなければならないし、私としてもウオーキングなど現在進行中と言っていい。
しかも、もともと鈍感だと言われているから「鈍感力」はあるようだ。
 
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                                              さつき
 
年をとると使わないと廃れる「廃用萎縮」にかかり易いので、「やらな癖」をつけず、恋愛でもスポーツでも、なんでも積極的に取り組んで脳を活性化する。
これは習慣づけて努力しないと「やらな癖」はつきやすいので、かなり力を要する。
とかく「おっくうがる」ところがあるので注意しなければなるまい。
 
「見られる」ために思い切りお洒落をして遊び主義に徹する。そうすれば輝いて見えるし、若々しくなる。
私も最近は服を選んで外出することを心がけている。
 
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                                                    庭のカルミア
 
恋愛をすると頭の革命、体の革命、さらに考え方の革命を引き起こすので、多いに恋愛をして変わることが必要だそうだ。しかし、これはなかなか難しいことだ。
恋愛をするのは、作家だからできることなのだろう。女性が好きというのと恋愛するというのでは、全く異なる。
 
手をつなぐ、抱擁する、キスする、など触れ合うことでコミュニケーションを深める。
スキンシップが子どもでも男女でも大事であることはわかるが、とかく日常生活に埋没すると、西洋の男女のようには簡単ではない。
 
優れた口説きは好ましい人間関係を育む。あまり褒めすぎてもわざとらしく、適度な自然な口説きと褒めことばは難しいが、褒めることはできそうだ。
 
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                                                         ツツジ
 
男のロマンチシズムは過去への未練、女のそれは未来への夢だそうだ。
つくづく男としての自分は過去へのロマンチシズムを持ちすぎるような気がする。
私の青春時代の留学生活への追憶の旅などこの表れなのだろう。
 
弱きもの,汝の名は、女性ではなく男性らしい。男は瞬間的な力が必要な時は強いけれど、持続する忍耐力が必要な仕事では女性のほうが強い。
平均寿命は女性のほうが7年も長い。それだけ、高齢者になると女性のほうが丈夫になる。おっしゃるとおりだと思う。
 
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                                                        高原の木
 
「愛の流刑地」「失楽園」を書く作家らしく、テーマの中には我々凡人にはなかなか実践できそうにないものが含まれているが、頷く事柄がとても多い。
 
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                                          エジプトの朝日
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                                                   バラ
 

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